邪魔なもの

 

山のてっぺんにお洒落な家を建てた人がいた。

その家は、何から何までエクセレント。

となると、邪魔なのは、たったひとつかみのゴミ。

『これさえなければ』と思った主は、

すぐ下に建つ家にゴミを投げ捨てた。

山のてっぺんから少し下った家の主は

自分ちのゴミを処分しようと外に出たところ、

見覚えのないゴミがあることに気がついた。

自分の分だけならともかく、

このゴミまで処分するのは大変だなと思った主は

最初に誰のかわからないゴミを、すぐ下にある家に投げ捨てた。

1つ捨てたら、2つ捨てるのも同じような気分になった主は

自分のゴミも続けて投げ捨てた。

ある日、ゴミを処分しようとしたら、

見覚えがないゴミをいくつか見つけた主がいた。

自分のゴミは処分するとしても、他のゴミはどうしたら良いのだろう?

役所に聞いても知らないふりをされ、困っていたところに

友達のてっぺんの家の主が通りかかったので相談したら

てっぺんの家の主は『みんなやっている事を、あなたが背負う事はないわよ。

私は知らないふりをしてあげるから

こっそり下の家に捨ててきちゃいなさいよ』と答えた。

少し、心苦しかったが、でも自分ではどうしようもできない。

結局、てっぺんの主の言う通りにした。

 

1番下の家の主は、いつも自分のゴミは自分の庭に埋めていた。

なのに、ある日気がついたら、庭に莫大のゴミが捨てられていた。

それは、山に住むみんなのゴミだった。

『みんなでかたづけないか?』

そう言ったか、どうかはわからないが

山に住む人はそ知らぬ顔をした。

困った主は、ゴミに火をつけて燃やした。

しかし、それが大事になり、山はまる焼け、

そして主は、捕まった。

 

誰が、この山に火をつけたのだろう。

 

火をつけたのは、下の家の主。

最初に、ゴミを捨てたのはてっぺんの主。

でも、燃えたのはみんなのゴミ。

 

自分の行動は自分で責任をとるのが当たり前。

どんな言い訳をしようが、偉そうな事を言おうが

それができない人に、

偉そうな事を言う権利はありません。

 

『私、言えないの』『私、断れないの』なんてかわいく言う友達を

可哀想なんて思ってはいけません。

言うのも言わないのも、断るのも断れないのも、その人の勝手です。

その人が取るべき行動なのです。

そんな時、アドバイスをするのは自由です。

私を利用して良いよって言うのは勝手です。

友達の責任をあなたの責任で、あなたが被るなら。

もっとも、責任を逃れようとする人は

口ではなんて言おうが、

悪いなんてこれっぽっちも思いません。

あ〜、ゴミがなくなって良かったって思うぐらいなので

私はご免ですが。

ましてや

『誰々ちゃんがこう言ってたって言えば?』

なんて、無責任に他人を巻き込むのは辞めた方が良いでしょう。

自分のお尻も拭けない子に、

すまして、えらそうな事言われた日にゃ

どんな仕返しをしても、気が納まらないでしょうから。

 

自分で片付けなくちゃ行けないのは

責任問題だけではありません。

ストレスだって、欲だって、邪魔なものはみんなです。

 

 

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