導火線に火をつける
昔、ドラマで出産シーンがあった女優さんが、相手役のだんなさんに
『手を握って大丈夫?とか優しくて心配するような言葉をかけてください』と頼んだらしい。
で、本番。夫は必死に妻を心配したり、励ます言葉をかけ続けた。
その言葉に『あ”〜!うるさい!!』など暴言を吐きまくり。
『イメージが壊れるとかひどいとか』視聴者からは苦情の電話が来たそうだけど、
女優さんは経験を元に演じて見せただけで、現実はそういうもんだろうと思う。
本当に大変でもがいているようなときって、
現実的じゃない親切とか、心配とか、励ますとか、アドバイスとか、褒め言葉とか
そんなもの、かけた方や外野は思いやりと考えるかもしれないが
あんなもの、ちっとも役に立ちやしない。
そんな言葉は要らないから『何とかしてよ!』って思っているので、
現実的に助けてくれるわけじゃなく、中途半端にそんな言葉をかけられて、
相手や周りに気を使うことが増えると思うと、余計にしんどい思いをする。
でも、親切にしているつもりの周りに、そういうのって、どうやって伝わる?
追い込まれて、息苦しくなればなるほど、もがくし、
それが自分で 抱えきれなくなるときがある。
たぶん、そこで溢れちゃったのが、愚痴だったり、ひと暴れだったりするんだろうな。
その頃には、当の本人も、何でそんなことになっているのかわかんないんだけど、
救われる事があるとしたら、その人の大変さを本当の意味でわかってあげる事しかないんだろうな。
といっても、実質的には、わかったつもりの人はいるだろうけど、
同じような体験がある人は似た気持ちにはなれるけど、
結局は、その人じゃないとわかんないことだけどね。
不幸なことに、他人は忙しすぎたり、都合があって、そんな余裕はないし、
中毒性がないとはいえないので、そうすることが自分に良いとは限らないんだけど、
とにかく、そういう人に会ったなら、
理解できなかったり、自分が現実的に助けてあげられないのなら
『大変なんだろうな』と思って
せめて、余計な事を言って相手を追い詰めて爆発させないように、注意だけはしたほうが良いかも。
施してあげているって思っている人の余計な一言ほど、 決定的なことはないからね。