損得勘定
…って言われると、その人はセセこましかったり、えげつないイメージがしませんか？
『あいつは損得勘定に関係なく』
…って言われると、良くでればおおらか？悪く出ればおおざっぱな感じが。
でも、それって、本当に『損得勘定』のせいでしょうか？
マゾではないと言う事を前提に話せば、楽か辛いか、痛いか痛くないか、幸せか不幸か、損か得か…この単語だけ聞いて、どちらか選べと言われたら、前者を選ぶ人が多いと思います。
でも、実際には楽より辛い道を選択する人も入れば、得より損をとる人もいる。
それは結果的に、楽を選んだつもりが大変だった場合とか、得を選んだつもりが損だったという場合もあるんですが、そうじゃなくて、大変そうだけど、こっちの方が楽しそうだとか、より大きな結果が得られるとか、そういう考えで選ぶこともあるわけですね。
例えば、ビジネスと言う考えを抜きにした慈善。
傍から見ていたら、その人にとって何の得にもならないのに、一生懸命する人がいる。
でも、その人にとって、義務ではなく、エネルギーを注ぎたいと言う思いがあるとすれば、それは、他の人の損得勘定からは外れても、その人にとって価値があると思う方、得を選んでいるわけです。
マゾが辛い方、痛い方を選ぶのも、本人にとって得を選んでる…って感じです。
そう考えると、もともと人間っていうのは、損得勘定で得を選ぼうとして生きてるもんかもしれないですね。
では、そうではない状態っていうのはどういう状態かって言うと、
①義務や規則で動いている状態。
②良い意味でも悪い意味でも、拘らない、無頓着、考えない状態。
この２つ。これらの共通する点って言うのは、損か得かを自分で選んだり、判断するって事がない状態です。
だから、損得勘定がないのです。
例えば、外国にどんなに体を傷つけても痛みを感じない子供がいたんですが、その子が何をしたかって言うと、痛みを感じてみたくて無茶な事をして、結果大けが。
彼がそんな無茶な事ができたのは、大けがしたら痛いという選択がない状態だったからですね。
つまり、えげつなく見えたり、おおらかに見えたりって事の基準に一見思えてしまう『損得勘定』っていうものや『得を選びたい』という感覚は、自然っていうか、当たり前の感覚で、えげつないか、おおらかに振り分けるかは、そのあり方だったり、周りへの影響や理解されるかどうかってところが大きいような気がします。
ってことは、人は、その人が得だと思う方、楽しそうだと思う方、幸せだったり、良いと思う方を選択したいもんなんですよ。
だから、これに投資したら良さそうと思えばするし、損をするとか、他にもっと良いものがあれば、それを選択しないわけです。
何でこんな詐欺に遭うかなぁ…みたいなのも、相手に得だったり、良さそうと思う選択だと思わせた詐欺師の策にはまった結果になるし、
何でこんなに良い事にみんな協力しないかなぁ…と思う状態も、それが相手にそう映ってないってことなのかもしれません。
ってなれば、表現力とかパフォーマンスは大きな意味があるし、それに釣られることもまた理に適ってはいるのです。
相手に親切にしたときに、一言、ありがとうと言ってもらえるのと、不機嫌な思いにさせられるのとどっちが良いですか？そういう事でもあるのです。
と同時に、それ故に間違いやすいのかもしれません。
何がポイントかって言うと、そのプロセスだったり考え方だったり。
短期的な視野に立てば、損に思える事が得であったり、得に見える事がそんであったりすることもあるし、長期的に見て得をとりに行ったつもりが、採算が合わずに計画倒れになったり。
同じ事をしても、えげつないと思われるのは、周りの目線では理解しがたい行動をとっている場合だろうし、逆に、他人の理解を得られずとも進んだ方が良い場合もあるし、長期的には得の場合もある。
それで得るもの失うものっていうのを天秤にちゃんとかける事が大事だったりするのです。
イメージにとらわれてはいけないと言いますが、人間ってやっぱりイメージを捉えて生きてるんですよ。
でも、そのイメージをどう扱うか。
小さいところで考えるのではなく、大きなところで扱うっていうのがとっても大事だったりするのです。
