父がピザを食べた
小麦粉小麦粉しているものが嫌いなのか、チーズが嫌いなのか、両方なのか、一緒になるのが嫌なのか、とにかく大嫌い。
パッケージツアーでイタリアに行くと、ピザやパスタは必ずというほど食べることになるのですが、パスタもお気に召さないようで、
『こんなものばっかり食べさせやがって!』と旅行中、文句を言っていたそう。
母はピザ、特に薄いぱりぱりとしたピザは大好きで、食べたいのだが、父はピザを食べる人間を軽蔑するぐらい嫌いだったので、家では食べられず、横須賀の我が家に来た時に食べておりました。
数年前、そんな両親を連れてイタリアに行くことに。
母はピザを食べている。父は相変わらず、ピザを注文する母をバカにしている。
と言っても、ピザを食べる機会なんて、10日間のうちの3回ぐらいしかなかったんだけど。
サイズが大きいので、一人で食べきれなかったりすると、ほれ見たことか、こんなものはまともな人間が食べるものではないのだと言わんばかりの表情をするのです。
が、その旅行の最終日、
ローマの空港にある鉄道駅の売店で、軽く食事をとることになった時、振り返ると、、
何を何んとしたか、大きなピザ一切れを手にして、食べようとしている父の姿が。
『初めてうまいと思った』
と言い出し、一口食べてみろと私に勧める。
大しておいしいともまずいとも思わないピザ。
どっちかっていうと、敢えて食べる必要はないようなピザ。
でも、彼にとってはカルチャーショックだったらしく、それ以来、好んで食べるほどには至らないけれど、少なくともピザを食べる奴は人間ではないというような態度はなくなり、出されれば、おとなしく食べるように。
何がそんなに彼の心を掴んだのだろう???
そいつはわからない。
でも、70才過ぎても、人の考えなんて変わるときには変わるってことなんでしょうね。
だったら、今日明日、この瞬間、何かが変わるなんて期待できなくても、
そのうち、変わるかもしれないぐらには、思ってもいいような気がします。
種だって、4月になったから芽を出すわけじゃなくって、
発芽条件がそろったときに、ぽんと芽を出すのだし。
そんな風に物事も、動くときは動くと思ってもいいような気がなんとなくするのです。

あとは、夏休みと軍資金。(あるのは本だけ)
今年、我が家には夏休みがあるのでしょうか?
遊びに行きてぇぇぇぇ~~~~~



