広島だらりんこ酔夢譚

広島生活雑記

どこで暮らしても、観光気分が抜けず。
だんなちゃんの仕事の都合で、2009年の夏から期間限定で(のはず)2度目の広島生活が始まりました。
私が住んでいる呉や、広島県周辺のの出来事をだらだらと書来連ねています。

2014/10/19

馬上酒造場にお邪魔しました



広島県熊野町。なでしこJAPANに贈られた熊野筆で有名な街ですね。
そこに一軒だけ、酒蔵があります。馬上酒造場。大号令というお酒を造っております。

私たちは月に1度、呉で酒の会を開いているのですが、そこでリクエストがあったのが大号令。
しかし、この蔵「広島県内で一番小さな蔵」と仰られるだけあって、石高が数十石だったかな。1石が一升瓶100本なので1年で数千本作る程度。殆どが地元で消費されて、それでもどうしても飲みたい人が、地元の酒屋さんか蔵で手に入れるというお酒なのです。

そんなわけで、入手困難なお酒なのですが、私がとってもお世話になっている方が、馬上酒造場さんと昔からお付き合いがあり、たまたま、蔵にお酒を取りに行くとのことだったので、一緒に連れて行ってくださいました。

昔は熊野町に3軒の酒屋さんがあったそうなのですが、現在は上に書いた通りここ1軒だけ。
熊野のみんなで守ろうと、地元に愛されているこの蔵は、創業明治26年、120年を超える蔵ですね。
元銀行員の社長と奥様とパートさんで酒造りをされているそうです。


蔵の中を見学させてもらいました。
ひんやりとした蔵の中には、ほかでもあまり見ないような古い道具が!それがなんとも新鮮。

機械化されていないため、自分で確かめながらお酒を造られているご様子。



「仕込みの時ね、24時間、タンクのそばにいるでしょ。
夜とか、ガタンと物音がすると、ビクッとしますよ。だって僕しかいないはずなんですからね」



熊野町の、シンシンとする冬の夜。お気持ち察します。




袋搾りといい、昔ながらの舟を使った搾り方を続けられているそうで、こうすると酒粕はお酒をたっぷり含んだ状態。
当然大人気。濁り酒も、大人気。

獺祭の旭酒造は杜氏制度を廃止して、データー管理で機械化されています。それでもお酒はできるのですが、この対極にあるのが馬上酒造場なのでしょうね。

機械化というのは決して悪いことではなく、良い設備を使うことで、より良いお酒が作れるわけですが、そういう蔵の人の手が施されたお酒は、付加価値が付きます。
そこに価値を見出して、昔ながらの製法を、部分的にかもしれませんが、取り入れる蔵も増えてきました。

そう考えると、昔ながらの作り方をコツコツ続けてきた馬上酒造場は、時代が一巡りして、今、あるべく蔵なのかもしれません。

蔵の見学後は、試飲させていただきました。



「僕は9号酵母が好きなんですよ。他にはせとうち21号やもみじ酵母も使います。
お米は八反錦と中新(中生新千本)理由は安いから。山田錦は使いません」

とのこと。うむ、ここまで獺祭の対極にあるような蔵。
使いならしている故か、八反錦と中生新千本が熊野の伏流水とよく合っているのか、
ふくらみもうまみも、バランスよく備わったうえで、辛口のすっきりした感じがよく出ていますね。

社長はよく冷やされたのがお好みのようですが、そこから少し温度が上がっても、風味が良い感じに開きますね。
共通して言えるのは、1杯だけ飲んでもいいのですが、すっきりとして呑み飽きないのと、積み重ねていく楽しさがあるお酒だと思います。
試飲なので、つまみ話で頂きましたが、お酒単体でも、食中酒でも楽しめるタイプだと思います。

「熊野町にこのお酒があって、本当に良かった!」
と熊野町の方が仰ってましたが、地元贔屓じゃなくて、本当に愛されているお酒なんですよね。

私も、こんな蔵があって本当に良かったと思います。



馬上酒造場

Facebook:https://ja-jp.facebook.com/pages/大号令-馬上酒造場/578104708874404

WEBSITE:http://www.e-na.co.jp/bajo/index.html

住所:広島県安芸郡熊野町7870
電話:082-854-0104
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