イギリスがインスパイアされた自然のデザインのいくつかを紹介
ハチの巣や昆虫の複眼。これらはみな、頑丈でエネルギー効率の良い六角形でできています。これを利用して作られたのが‘エデン・プロジェクトという世界の植物を育てるために建てられた泡のような形状の温室群。
六角形という形状はエネルギー的にも資源的にも効率の良い構造なので、自然界の構造でしばしばみられます。‘エデン・プロジェクト’の温室は、スチールでできた六角形と五角形の枠の組み合わせで構成されています
コウモリは高域の超音波を出し、その反響音をとらえて暗闇でエサを捕まえています。暗闇を飛びまわるコウモリから発想されたのが視覚障害者のための安全杖。
暗闇で昆虫を捕まえるために、コウモリは人間の耳では聞こえない高域の超音波を使います。超音波は障害物によってはね返されるので、その反響音から障害物の大きさ、距離を認識しているのです。
視覚障害の人たちが不自由なく歩くのを助ける電子移動補助器具、Ultracane(ウルトラケイン)の開発はここからヒントを得ています。柄の中にあるセンサーが超音波信号を発信して、その反響音を探知し、
センサーが障害物を感知すると、柄にある振動ボタンが反応して指先に知らせます。
ヤモリは指先に生えている無数の細かい毛で表面に吸着できるので、上下逆さまになっても歩くことができます。ここからヒントを得て、新型粘着テープが開発されました。まだ開発途中ですが、将来的にはこのヤモリ・テープは剥がしやすい包帯からロック・クライミングまで、数多くの用途に使われるでしょう。 ちなみにヤモリは自分の体の400倍の重さまで支えることができるそうです。
サメの皮膚は触るとざらざらしています。それはサメの皮膚の表面にV字形の小さな突起があるからです。この突起は、水中での摩擦や抵抗を減らす役目をしています。
また、突起の形状はサメの身体の部分によって異なっていて、水が滑らかに流れるようになっています。
ここからヒントを得て、世界で最も速く泳げる水着が開発されています。
種を収蔵することによって、絶滅の防衛、多様性の維持、また必要であれば種を再び自然界に戻してあげるために、世界の植物の遺伝子データベースをつくることができます。植物の救済から発想されたプロジェクト、 ミレニアム・シード・バンク・プロジェクトはキュー・ガーデンをはじめとする世界17ヶ国の諸組織により監理・運営されています。
まつぼっくりは熟して木から落ちると、乾燥して笠が開き、内部の種が出てきます。
まつぼっくりから発想された体温調節ができる生地。
まつぼっくりは異なった方向性を持つ堅い二層の繊維でできています。まつぼっくりが乾燥すると、内側の繊維は外側より膨張するので、笠は外側にむかって曲がり、内部の種が出てきます。
木にぶらさがっているまつぼっくりは固くて閉じていますが、熟して木から落ちると開きます。
着用者の体温を調節することができる衣服をつくる時に、これと同じ原理が利用できます。生地は小さなふたのようなもので覆われています。暑くなって汗をかき始めると、湿気が高まってこのふたが開きます。空気が通り、再び着用者の体温が下がると、湿度も下がり、ふたは閉じます。
力強い潮の満ちひきは、海岸線を侵食したり岩を削ったりします。一日に二度ある潮の干満には、数多くの発電所に相当するクリーンで再生可能エネルギーがあります。
潮力エネルギーを捕らえるこの斬新なデザインは、控えめで、経済的かつ実用的なエネルギー生産法であるということがテストにより立証されています。将来的には商業用としての開発がすすむでしょう。
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上の説明は、展示物からはさほど感じ取れないのだが、ガチャガチャと動かせるものは子供にも人気があるので、いつも取り合い状態になる。